45歳から55歳の手の痛みって?
なんか変だな…放置していませんか?
メノポハンドとは、更年期世代(45歳~55歳位)の女性に多くみられる「手の違和感・手の痛み」のことです。まだ病院でも具体的な「疾患名」が分からず、特徴もハッキリしていない故に「年のせいかもね」を言われてしまい、成す術もないまま悪化していくのをじっと待ってしまうことも…。
今日は、そんな手の症状「メノポハンド」についてお話してみようと思います。
ホルモン(エストロゲン)は体のカギ?!
更年期を語る上で、必ずお話に出るのが「エストロゲン」ですが、この女性ホルモンは体の様々な部位に働きかけることができ、その機能を維持しています。例えていえば、「ホルモンが🔑カギ」だとすると、体の中には、そのカギがフィットする「鍵穴」が様々な細胞についているのです。エストロゲンというカギでドアを開けられる細胞があって、その鍵を開けて中に入ることができるから、ホルモン(エストロゲン)が働くことができる。そんなイメージです。
エストロゲンのカギ穴は体中に!
そして、エストロゲンという女性ホルモンは、実に多くの細胞・器官と関わっていて(いろんな細胞のカギを開けて、中に入れる)私たちの美容と健康を守ってくれています。
このエストロゲンがなくなっていく時期が「老年期」なのでありますが、エストロゲンがなくなる体に移行する時期が「更年期」という訳ですね。
それゆえ、エストロゲンがいなくなる体では、あちこち「エラー」が起こり始めてしまう…。その一つが「手の痛み」という訳です。

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痛みを放置していると…
そんなわけで、もしあなたが45歳~55歳位の女性で、
ここ最近…
「なんだか親指の付け根が痛い…」
「指の変形が起こりそうな感じがする」
「指が痛い…」
「フライパンを持つと、手首回りが痛い…」
…そんな、激痛ではないけれど、日常生活に「不便さ」「もどかしい痛み」を感じ始めているのなら、それは「サイン」である可能性が高いのです。今まで守ってくれていたエストロゲンが激減していく「ゆらぎの時期」の女性の体は、治る力も落ち気味…。
それでも、「使うと痛い」けれど、じっとしていて激痛という事はない、となると「ま、年のせいか、仕方ない…」となってしまうと、更年期を抜けた後に、その「芽」が咲き始めてしまい(悪い意味で)次のような「手の疾患」に繋がってしまうことも少なくありません。
よくある手の痛み・疾患の例
- 変形性疾患(CM関節症/へバーデン結節/ブシャール結節)
- 屈筋腱の腱鞘炎(ばね指/ドケルバン病)
- 手根管症候群
- びらん性変形性手関節症(最近出てきたカテゴリー。リウマチとは区別される滑膜の炎症など)
注意が必要!リウマチ
免疫の異常によって関節に炎症が起こる「自己免疫疾患」の一種であり、関節の痛み、腫れ、こわばりといった症状が特徴です。進行すると関節の破壊や変形をきたし、日常生活に支障をきたすことがあります。原因は未だ不明ですが、遺伝的要因と環境要因(喫煙、歯周病など)が関与していると考えられています。必ず専門医で診断してもらい、治療を開始する必要がある病気です。
更年期時代から予防・ケアが大切
というわけで、更年期の手の痛みは、放置すれば、これまで説明したような手の疾患に、後に直結してしまう事が多々あるという事です。リウマチや、今挙げた各疾患とは診断できず、はっきりを原因がわからないうちの痛みであれば、痛みや変形のリスクを下げるために、更年期治療としてHRT(ホルモン治療)が使えることもあるようです。私たち鍼灸マッサージ師がお手伝いできることも、いくつかはあります。
まずは、鑑別が必要な「リウマチ」の心配を除外した上で、整形外科などでしっかりと診断してもらっていただけると、鍼灸院でもやれることが明確になると私は思っています。痛みが3か月ほど続くようなら、まずはドクターに診察をしてもらってみてくださいネ。
肩こり・背中ガチガチもリスク…。
実際、「手の痛み」は非常に多く伺うお悩みでもあります。個人差も大きく、全員同じ治療で良くなるかと言われると、そんなことはなくて、「生活環境」「体の冷え」「食事」「お仕事」などなど、様々な要因が絡まり合いながら、お悩みとしてそこにあります。
手の痛みは、肩周りのトリガー(体の痛みを引き起こす爆弾みたいなもの)の関連痛(飛び火しているとこ)でも見られることがあり、肩こりや、背中がバッキバキに硬い人ほど、全身の血流が良くないことが推察されるため、手回りの痛みも強く、しぶとく残っている印象です。
…そうなんです。これらの手の痛みは、「血行が悪い」ことで悪くなることが多いのです。どの疾患もそうなのですが、「血行が悪い」という事は万事の根源になっているんですよね…。
つまり、交感神経優位(ストレスなど)の方ほど、背中や腰、肩がガチガチで、血行が悪い。体の冷えている人も、勿論、血行が悪いわけなのですが、その大元に「胃腸の具合」が関係してきたりもする…(!)
血行が悪いといっても、どこから始まっているのかを考えていくと、「治りやすいヒト」「なかなか良くならないヒト」というパターンが分かれていくようにも思います。
当院でお手伝いできること
ですから、当院でお手伝いさせていただくときは、「血行を全身的に良くする」ことをゴールに治療を組み立てていくようにしています。鍼治療は、血行改善の他、鎮痛作用もありますし、高周波は圧倒的に血行を良くします。オイルマッサージやカッピングでは引っ付いてしまった組織をリリースすることで、通り道を開けてあげることができます。
一口に「血行を良くする」といっても、原因が様々なので、アプローチも様々です。ですので、特徴を個体差・体の歴史など踏まえて、お一人お一人に必要な治療を選んでいます。
そして、今日はお伝えしませんでしたが、有効な予防策やセルフケアがとても大切。院や「カラダ塾」で直接お会い出来る方には、この辺りもお話ししています。(お客様専用インスタでも情報発信しています)
まずは、「へ~。そんな症状あるんだ…。これってもしかしたら…」と知っていただけると、「もう取り戻せない状態」になる前に、手が打てると思うんです。
今も違和感に困っている方がおられましたら、是非一度専門の先生に相談してみてください。その上で「年齢のせいかな~。」と言われたら、当院のドアを叩いてみてください。
痛い時期が長くなればなるほど、改善にも時間がかかります。迷われていた方は、是非、最初の一歩を踏み出して「今、私の体に何が起こっているのか?」を知るところから始めてみてくださいネ! 不安なことがあれば、いつでも鍼灸院でお待ちしていますから、どうぞご相談くださいね。


